急に木洩れ日が見たくなったので神代植物公園に出かけた。
深大寺門から入って木漏れ日を通り抜けたら、あとはしばらくバラ園の噴水を見ていようと思ったけれど、バラフェスティバルなる催しが行われており人手が多かったので断念した。
フェスティバルと銘打つだけあって、バラ園では何十種類もの色取り取りのバラが咲いていて大変見事だと思った。形が美しいと思った白いバラを携帯電話のカメラで一枚写真に収めようかと思ったけれど、周りを見渡すとみんな同じ姿勢をして携帯電話を花に向けている様子が何だか気持ち悪い、自分も他の人と同じ格好をしているのかと思うと気持ちが暗くなったのでやめた。別に花を撮る事は何の問題も無いと思うのだが、人と同じ事をするのが苦手な性分なのだろうか。バラはとても綺麗だったので、少し後悔した。
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帰りのバスの中で三歳くらいの男の子と父親らしき男性が隣に座っていてこんな会話をしていた。
「今日は楽しかった?」
「うーん、あんまり楽しくなかった」
「・・・なんで楽しくなかったの?」
「あんまり遊べなかったから」
そうか、じゃあ今度来るときはいっぱい遊ぼうね、と子供と話す父親の顔は少し悲しそうだった。それを見て、自分が8歳くらいの時のことを不意に思い出した。
子供の頃は、日曜日になると時々母の実家へ行き、いとこ達と遊んでいた。昔のことなので前後の経緯は全く覚えていないが、ある時叔父が近くのレストランに夕食を食べに行こうと言い、私も連れられて食事に出かけた。そこで何を食べたかということも当然覚えていない。ただ、自宅に帰る途中の車の中で母親が「お前はなんて失礼なことを言う奴だ、叔父さんがせっかくご馳走に連れて行ってくれたというのに、『あんまりおいしくなかった』というのは酷いだろう」というような意味のことをきつい口調で諭されたのは、その時の車の外の情景も含めて明瞭に覚えている。おそらく料理があまり口に合わず正直な感想を言ってしまったのだろう。
当時から全く他人に気が回らないというか気が利かないというか、この点は20年近く経った現在でも全く成長しておらず、情けないことこの上ないと思う。
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吉祥寺行きのバスの中で、父親の少し寂しそうな顔が眼に入ったとき、突然そんなことを思い出した。何だか急に叔父にあの時のことを詫びたくなったが、叔父は十数年前にガンで突然亡くなってしまい、謝ることも、自分があの時何を食べてどんな風に料理に文句を付けたのか尋ねる事も、もう出来ない。
2008/11/17
遠い過去から
by
hell
時刻:
14:53
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